イギリスで出産に立ち会ったはなし.

イギリスに妻と二人移り住んで4年半,子供が出来ました.これは入院から出産立会いまでの記録です.

 

検診から出産まで,一般的なイギリス人と同様に National Health Service (NHS) で行いました.妻は妊娠糖尿と診断されていたため,40週まで自然な陣痛を待つのではなく,38週で人工的に陣痛を誘発する事になっており(計画分娩),38週5日目に入院しました.分娩に際して事前に自然分娩・無痛分娩・プール分娩・帝王切開が選べます.妻は無痛分娩(Epidural という麻酔) を使う方法を選択をしていました.

 

1日目 08:00 

言われていた通りに,朝に病院に電話.11:30 に病院に来いと言われる.

 

11:30

病院到着.受付に道を教えてもらい廊下を歩いていく.迷って分娩区画に入ってしまい,空いている分娩室にプールがあるのが見えた.これが例のプール分娩かぁと思いつつ,さらに迷って midwife (助産師さん)に道を聞き,たどり着く.5,6人部屋で他には2組くらいの気配を感じる.

 

12:00

Induction (陣痛誘発)の流れの説明を受ける.血圧,胎児の心音確認等の後にまずは子宮にホルモン剤(本来,時が来たら母体から生成されて子宮口を開くホルモン)を入れて24時間待つ.その結果次第で次の方法を検討するという説明を受ける.

子宮収縮剤での陣痛誘発で無いようなので,ホッとする.なぜホッとするのかというと,子宮収縮剤は薬で強制的に子宮収縮を起こして子宮口を開くというものなので,陣痛の痛みが継続して発生し辛いのと体力を削られ,体力的に限界になると帝王切開になってしまう恐れがある.願わくば子宮収縮剤を使うに至らない事を祈る.

Induction 開始前に心音確認を行う.

 

12:30

心音に異常なし.医師の手が空き次第ホルモン剤を挿入するのでしばらく待つようにと言われる.

 

13:00

ランチを取りに行けと言われて廊下にでる.売店のスタンドが廊下に出ておりおばちゃんが注文を取っている.飛行機の機内食のような食事だが,4,5種類の中から選べる.糖質制限対応メニューが無いか聞いてみたが,そんなものは無いと言われる.しかたなくサーモンをチョイス.付け合わせが大量のマッシュポテトで,糖質 max...  妻よ,ごめん,選択を間違えた.

 

17:00

『しばらく』のはずが,4時間半待たされてようやく医師がくる.ここまでに,『これだからイギリスは・・・』と5回以上文句を言う.

医師が,心音測ってから時間が経っているので心音測定やり直すと言う.イギリスこういう効率の悪い事ばっかり...

 

17:30

ついにホルモン剤挿入.紐付きの小さいタンポンのようなものを入れる.とても痛そうだった.立ち会いの覚悟が出来ているつもりだったが,痛そうな姿をみて心が揺らぐ.本番はもっと痛いのだろう...

 

18:00

24時間は自由行動なので,とりあえず病院の周りを散歩する.近所に豪邸エリアがあるのでそこを散策(覗きに行く).

 

20:00

特に変化はない.23:00 に検査があるという事なので,妻はそれまで寝ておくというので,自分は一旦帰宅することに.

 

2日目

07:00 

起床,妻の朝食の準備などをして病院へ

 

09:00

病院到着.妻に状況を聞く.夜から陣痛の様な痛みが始まったらしい.夜中に同室の妊婦さんが『もうダメー』的な事を英語で叫びながら運び出されていったらしい.

 

11:30

陣痛?の様な痛みの頻度・度合いからして,まだしばらく時間がかかりそう.本格的な陣痛がくるとしたら夜くらいのタイミングだろうということで,帰宅して休息し夜に備える事にする.

 

15:00

再度病院へ.

 

16:00

24時間目の検査が 17:15 なので,妻がその前に家でシャワーを浴びたいという.病院のシャワーは嫌らしい.散歩のふりをして,病院を抜け出して帰宅.

5, 6 分おきに痛がる.

 

17:15

ホルモン剤入れてから24時間目の検査.ここで子宮口が開いていないと子宮収縮剤使われるかもしれないので,緊張して挑む.またもや痛そうで,見ているのが辛い.

結果,2 cm 開いており,人工的に破水させてあとは自然に待つという方針に! よかった.

モニターの TOCO (トコ) という値が子宮の収縮状況を示す値だという事を知る.0 ~ 99 % の値で,数値が高いと陣痛が来ているという事らしい.この数値の意味を知っておいてよかった.本番で結構役に立った.

 

19:00

本番前の最後の準備ができるタイミングだろうと,自分は帰ってシャワーを浴びて,フルーツや糖尿対応クラッカーなどを買いに行く.

 

※これ以降はメモを取る余裕がなかったので,記憶に頼って書いています.

 

20:00

陣痛3分おき

 

23:30

分娩室へ移動.陣痛が相当痛い様だったが,歩いた方が子宮口が開きやすいので,室内を歩き回る.陣痛が来たら,楽な態勢を探しながらひたすら耐える.

 

3日目

02:00

妻,早く麻酔をしてほしいと言い始める.

 

02:30

子宮口が 4 cm 開く.この時点から Epidural (麻酔) を打つ事ができるので,midwife に麻酔を頼む.医師が心音の波線が記録されている紙を確認した結果,気になる点があるため,確認のためにもう少し様子をみると言われる.

 

心音を取るための,お腹に当てているパッドの位置が悪かったり,胎児の心臓の位置が移動すると正確に取れないので,そういった原因なのか,または本当に心音が落ちるのか確認するということらしい.

実際になんどか位置を調整していたし心音が取れていない時間があった.それに,紙詰まりが何度かあって取れていない時間も結構あった(紙の設置がキッチリ真っ直ぐになっておらず,そのズレが一定期間ごとに紙詰まりを起こしていた).

 

正気ガスを吸って良いと言われ,麻酔まで正気ガスで耐える.

 

03:00

妻はもう英語を聞き取るどころではなく,midwife や医師が何をいっているのか正確に理解できない状態に.

心拍が綺麗にモニターできていないため,胎児の頭に針をさしてそこから心拍を取ると言われる.それで早く麻酔ができるならそうしてくれと答える.

 

陣痛が来たら正気ガスを深呼吸する.治ったら普通に呼吸する.

TOCO 値が 15 くらいで痛みを感じる様なので,タイミングを妻に伝えて深呼吸をさせる.TOCO 値が何なのか知っておいてよかった!!

 

03:15 

心拍が綺麗に取れない.midwife が針の異常を疑い,針を交換すると言う.

針を交換しても結局クリアに取れず,別室から同じ機械を持って来て交換する.それでもダメ.結局元どおりのお腹につけるパッドで測定を継続する.

 

この midwife 大丈夫かよと思いつつ,雲行きが怪しくなって来て,不安になり始める.妻は状況を理解していない.

 

太ももに,陣痛のタイミングを遅らせる注射を打たれる.何のためかよくわからない.

それに,心拍の何が気になっていて麻酔ができないのかもわからない.

 

聞いてみると,陣痛のタイミングで胎児の心拍が低下しているそうだ.

しかし,それがどういう事なのか,わからないし説明が無い...

 

ググる.どうやら,へその緒が首に絡まっていると心拍が下がるらしい.心拍が 60 くらいまで下がった時点で帝王切開になったという妊婦さんの体験談を目にする.

マジか..激しく不安になり,心拍・TOCO の記録を細かく見るようになる.今のところ最低が 110.

 

3:30

麻酔ができないのか midwife に催促.心拍は問題なさそうなので,5分後に医師が来て確認後に麻酔できるだろうとのこと.

 

3:35

医師,こない.

 

4:00

医師,まだこない.midwife に状況確認.

医師が emergency 対応中なので,それが終わり次第来ると言われる.マジか.

 

子宮口 9 cm 開いている.

 

TOCO 値15 で正気ガス深呼吸を継続.

 

4:30

子宮口,まだ 9 cm. 

妻,とても辛そう.そして,痛いだけではなく,いきみたくなって来た模様.

midwife から,10 cm になるまでいきまず,深呼吸しろと言われる.

 

TOCO 値15 で正気ガス深呼吸を継続.

 

5:30

妻の HP 低下.もうダメって言い始める.

midwife に,麻酔の催促.

もう少しで生まれるだろうから,もう麻酔は打てないと言われる.早々に麻酔をしてほしいと事前に伝えてあったのに,この流れひどい・・・.

 

妻に状況を説明.妻,やるしかないと覚悟を決めたようだ.

 

TOCO 値15 で正気ガス深呼吸を継続.自分ができる事はこれしかない.

 

6:15 子宮口 10 cm に.いきみ解禁. 陣痛が来たら大きく吸って,息を止めて,顎を引いていきむ.これを3, 4回連続で1陣痛内にやる. 結構難しい様で,息が漏れていきみが足りなくなったり,2回目3回目の呼吸が持たなくなったりする.

おそらく,ここが彼の有名なヒーヒーフーポイントなんだろう.この段階で呼吸のタイミングを手伝ってあげたり,口をつまんで息が漏れないようにするといいみたいだった.

  6:52

繰り返す事,20陣痛?くらい.....

.     ∧ ∧     (´・ω・ ∩ 産まれた!    o.   ,ノ.     O_ .ノ         (ノ       i||      ━━